「痛い」「怖い」「いきたくない」・・・ そんな今までのイメージの歯科医院ではなく
「楽しい!」「気持ちい!」「まだ行きたい!」・・・歯科医院であるために私たちは予防中心の歯科医院づくりに力を入れています。
戦後50年を振り返ってみると、かつては欧米諸国に比べ少なかったはずの日本人のむし歯の数は、戦後のめまぐるしい経済成長の中、食生活や生活習慣も大きく変化をし、いつの間にか欧米諸国のそれより上回ってしまいました。
皆さんは大人の歯(永久歯)が何本あるかご存知でしょうか?
答えは「親知らず」を抜いて28本です。日本の歯科医師会では8020運動(80歳で20本の歯を残そうという運動)をしていますが、現在80歳で残っている歯の平均本数はたったの7本です!!
日本の平均寿命は世界でもトップクラスなのに、歯の寿命が短く
「食べたいものが食べられない」
「話しづらい」
「人前で思いっきり笑えない!」
なんてとっても悲しいことです!!
歯は削れば削るほど弱くなります。一度削った歯は二度ともとには戻りません。
歯の神経を処置すれば痛みは消えますが、確実にあなたの歯の寿命を短くしています。
歯を抜けば抜くほど、確実に総入れ歯への階段の上ることになります。
大切なのは、「痛くなったらから歯医者さんに行く」のではなく、
「お口の健康を守るために定期的に歯医者さんに行く」
つまり、『予防』なのです!!
最近ではマスコミなどの影響もあって患者さま自身が歯の健康に高い関心を持つようになってきました。
私たちも、
「どうしてむし歯になるの?」
「どうしたらむし歯にならないの?」
など予防を意識した質問を受ける機会も増えてきました
一昔前なら、
「砂糖をいっぱいとることで歯が溶けてむし歯になるんだよ」
と説明していましたが、科学の進歩した今日では状況が変わってきました。
様々な研究結果からショ糖の摂取もそうですが、食習慣や生活習慣、あと、唾液(つば)の性質もむし歯の原因に大きく関与していることが判ってきました。
その唾液の中には目に見えない常在菌が300種以上存在していると言われています。
これらの常在菌の中にむし歯を作りだす細菌も含まれているのです。
そこで私たちは「唾液」に注目しました!!
唾液の性質や量、唾液に含まれるむし歯菌の数を検査し、むし歯へのリスクを判定していくことにしました。
つまり正しくお口の中のリスクを把握することで、オーダーメイドの予防歯科プログラムを提供させていただくのです。
今までの、単に歯磨きの仕方を教わるといった旧来型のセルフケアから、ワンランク上の予防治療をご提案いたします。
■ 10秒間、軽く洗口をします
洗口用水(3ml)を口に含み、口腔内全体にいき渡るように10秒間洗口するだけで試料の採取が完了します。
■ 試験紙と専用機器で測定します
洗口吐出液を試験紙に点着して専用機器にセットし、測定します。
測定時間はわずか5分。
■ 結果が出ます
測定結果はパソコンに転送され、結果シートに表示されます。
歯の健康、歯ぐきの健康、口腔清潔度に関する項目をチャートで表示されるので、ご自身の状態をすぐ確認することができます。
当院では、5分でできる唾液検査キット「サリバリーマルチテスト」を導入しています。
3ステップの簡単な操作で、歯の健康・歯ぐきの健康・口腔清潔度に関する6項目からなるお口の健康状態がわかります。
測定結果は、みなさんにわかりやすいシートを作成することができます。
唾液検査以外にも、色々と精密検査を行っていきます。
■位相差顕微鏡チェック
位相差顕微鏡により、歯周病菌やカビ菌などをみることができます。
お口の中のお手入れを疎かにするとびっくりしてしまいますよ。
歯周病予防については、 歯周内科治療を中心に位相差顕微鏡を活用してリアルタイムPCRという歯周病菌のDNA検査を行い、どの歯周病菌にどのくらいの数感染を起こしているかを患者ごとに調べ、その患者さんにあった抗菌剤を選択して治していく治療を行っています。
★歯周内科について★ (国際歯周内科学研究会HPより引用)
歯周内科治療は位相差顕微鏡検査・リアルタイムPCR検査で、お口の中に感染している細菌・真菌・原虫などを特定し、動画管理システムに記録しそれらの微生物に感受性の ある薬剤を選択し、微生物叢を非常に綺麗な状態に改善することで歯周病を内科的に治す治療方法です。
治療前の非常に汚れた微生物叢が治療後 は非常に短期間で綺麗に改善し、術前・術後の状態が一目瞭然に画像で示されるという利点があることが知られています。
また、はっきりと自覚 できる程、歯茎からの出血や排膿が短期間で改善されます。以前は、長時間歯磨きや外科治療によって1~2年の治療期間でそのような綺麗な微生物叢を獲得していたのです。
微生物叢が改善されたら、歯石を除去します。その場合も、微生物叢が改善されていると、冷たいものがしみるというような症状が非常に少なく なることが知られています。
(なお、前歯においては短期間で歯茎が縮むので歯が伸びたような感覚が生じることがあります。そのような場合には残念ながら通常の治療では 元々骨が溶けている状態ですので改善は難しいようです。その場合は特殊な審美外科を行う必要があるかもしれません。 )
■プラーク検査
専用の染め出し液で磨き残しのチェックをします。
一生懸命磨いているつもりでも、意外と磨き残しが多いことも!?
さあ、唾液検査で目には見えないむし歯の本当の原因がわかったら、その原因に合わせたプロフェッショナルな予防プログラムを享けましょう!!
■ 専用ツールを元に、効果的な予防法をご提案します
「むし歯チェックシート」と「むし歯のリスクチェック」からわかったリスクを効果的に予防するため、個別のツールをお渡しします。
わかりやすいイラスト付きなので、楽しみながらむし歯を予防していきましょう。
■ 上手な歯磨きの仕方を教わります
自分では磨いているつもりでも、磨けていない部分も多いのです。
歯科衛生士に自分にあった歯磨きの道具を選んでもらい、正しい歯磨きの仕方を教わりましょう。
■ プロによる歯のクリーニングを享けます
歯磨きでは取れない頑固な細菌の固まりを歯科衛生士に落としてもらい、歯をピカピカにします。
■ 歯を強くする薬(フッ素)を塗ります
酸に溶けにくい丈夫な歯をつくるフッ素。
定期的に歯科医院で高濃度のフッ素を塗ります。毎日の歯磨きでもフッ素入りの歯磨き粉やフッ素ジェルを使うとむし歯予防に効果的です。
■ 食生活のアドバイスを受けます
頻繁な間食、ながら食べやダラダラ食べを続けると口の中は酸性の除隊が続き、むし歯になるリスクが高くなってしまいます。
間食はなるべく控える、朝・昼・晩の食事は決められた時間に食べる等、規則正しい食生活を心がけましょう。
また、唾液の働きなどによってお口の中をきれいにしておくためにも、しっかり噛んで食べることが大切です。
大人のはは28本とお話しましたが、実は生えている場所によって歯の平均寿命は大きく異なるというデータがあります。
下の図を見るとよくわかるように、歯みがきで磨きにくい場所に生えている歯ほど平均寿命が短くなっています。
つまり、歯の寿命を延ばしには日頃のお手入れ=予防がとても大切ということです。
それでは、歯をとっても大切にしている国、スウェーデンと日本とで歯の残っている本数を比べてみましょう。
痛くなってから歯医者さんに行く(治療中心)と
痛くなる前に歯医者さんい行く(予防中心)では
こんなにも差があるのです。
お口の中を清潔に保つことが大切です
- お口の中が清潔であれば歯周病菌が感染する可能性は低くなります。
- 毎日の歯磨きが大切です。歯科医院でブラッシングのコツを教えてもらいましょう
- 毎日の歯磨きで歯周病菌が増えることを防ぐことができます。
- 自分で磨けない部分が必ずありますので、定期的に歯科医院での歯のクリーニングを受けましょう
- また、1年に一度は再感染の状態がないかリアルタイムPCR検査を受けることをお勧めいたします。